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相続による自動車名義変更

相続による自動車名義変更

相続で自動車を譲り受ける場合は自動車の所有者の名義を変更する必要があります。

1.状況により名義変更・登録手続きは異なります。

相続による自動車の名義変更の場合、お客様によって状況は様々です。
旧所有者と新所有者の住所が一緒の場合、違う場合、ナンバー変更が必要な場合…

1.車庫証明について

被相続人(故人)と同一の車庫を、被相続人と同居していた相続人が、引き続き利用する場合は、車庫証明が不要です。
しかし同一の車庫を利用する場合でも、被相続人と相続人の住所が違うときは、車庫証明が必要になります。

2.ナンバープレート

ナンバープレートの管轄(地域区分、尾張小牧、春日井、一宮、名古屋等)が変わるときは、 新しいナンバープレートに付け替えなくてはなりません。

2.ケース別手続き例

①故人が名古屋市民で、名古屋ナンバーの車に乗っており、相続人が瀬戸市民の場合
車庫証明手続き、及びナンバー変更手続き(移転登録手続き)が必要です。

②故人が尾張旭市民で、尾張小牧ナンバーの車に乗っており、相続人が瀬戸市民の場合
車庫証明手続き、及び名義変更手続きが必要です。

※小牧陸運局管内には、尾張小牧、一宮、春日井のナンバープレートがあります。
これらナンバープレートの異なる市に在住している被相続人・相続人間の手続きの場合は、①の手続きとなります。

③故人が瀬戸市民で、尾張小牧ナンバーの車に乗っており、相続人が瀬戸市民の場合で車検証の所有者の本拠の住所と故人の住所、相続人の住所が同一の時
名義変更手続きだけ必要です。

④故人が瀬戸市民で、尾張小牧ナンバーの車に乗っており、相続人が瀬戸市民の場合ですが車検証の所有者の本拠の住所と故人の住所、相続人の住所が異なる時
車購入後、移転しているので、車庫証明手続き、及び名義変更手続きが必要です。

3.必要書類

必要書類について記述します。

①戸籍謄本又は戸籍の全部事項証明書(被相続人の死亡確認できるもの)

1.発行後3ヶ月以内のもの
2.なお下記②のうち、
ア) 相続人全員の実印を押印した遺産分割協議書を添付した場合は、全ての相続人が確認できるもの
カ) 申請人である相続人の実印を押印した遺産分割協議成立申立書を添付した場合は、被相続人の死亡と申請相続人の確認できるもの。
が必要です。

②次のいずれかのもの

ア)相続人全員の実印を押印した遺産分割協議書

※相続人のうち相続放棄をした者がいる場合、相続放棄の申述をした旨の家庭裁判所の受理証明書が必要です。

イ)遺言書(公正証書による遺言以外は家庭裁判所による検認済のもの)
ウ)遺産分割に関する調停調書

相続人間でモメている場合です。
エ)遺産分割に関する審判書(確定証明書付)

相続人間でモメている場合です。
オ)判決謄本(確定証明書付)

相続人間でモメている場合です。
カ)申請人である相続人の実印を押印した遺産分割協議成立申立書

相続する自動車が100万円以下であることを確認できる査定証又は査定価格を確認できる資料等を添付した場合に限ります。
これを利用すると車の名義人となる相続人以外の書類が必要なくなります。
「査定証明書」は、一般財団法人日本自動車査定協会で発行してくれます。
TEL:052(882)5381
査定料金は、自動車を持ち込みで約10000円(車種により、金額が変動します。)
出張費用等は別に請求されます。
証明書は、簡易書留等で発行されます。郵送料を別に請求されます。

③申請相続人の印鑑証明書

申請相続人の印鑑証明書が必要となります。

④申請相続人の委任状

申請相続人の委任状が必要となります。

⑤車庫証明書(使用の本拠の位置が変更になる場合)

車検証の本拠の住所と被相続人の住所、相続人の住所が一致しておれば、車庫証明書は不要です。
【注】戸籍謄本で相続人を確認するときには、戸籍の改製により相続人から欠落している者がいないか等、次の点に特に注意して確認が必要です。

①離婚の事実はないか。
②子の続柄や名字はつながっているか。
③養子あるいは養親はいないか。
④死亡している者はいないか。
※本人から、配偶者又は子に対しては、直接死亡による移転登録はできますが、父母あるいは、孫に移転する場合は、死亡による移転手続きの後、贈与による手続きとなります。また代襲相続の場合も手続きは複雑です。

4.遺産分割協議書等の相続関係書類がない場合

②の書類がない場合、ア)相続人全員の実印を押印した遺産分割協議書(自動車分のみ)、カ)申請人である相続人の実印を押印した遺産分割協議成立申立書については、当事務所でも作成のお手伝いをさせて頂きます。

5.名義変更せずにそのまま使用し続けたら?

相続人の間で争いがないのであれば、すぐに問題になることはありません。
しかし、将来売却したり、乗りつぶして廃車するというときに、亡くなった方の名義のままでは手続きができませんので、いずれは手続きをしなくてはいけない時が来ます。
その時になって他の相続人と仲が悪くなっていたり、または当時の相続人の中にお亡くなりになる方や、認知症などになる方などがいらっしゃいますと、手続きが滞ってしまいます。
手続きを先送りすると、将来手続きができなくなる可能性がありますので、できることならば相続後早い時期に、お手続きを進められることをご検討ください。