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管理者の役割

管理者の役割

1.管理者とは

「管理者」は、当該営業所における業務の実施に関し、風俗営業者又はその他従業員等に対し、法令の規定を遵守してその業務を実施するための必要な助言や指導を行います。
風俗営業者は、営業所毎に専任の管理者1人を選任し、設置しなければなりません。管理者を選任することによりその責任の所在が明確になりますし、従業員の指導が充実する事にもなります。
経営者がお店の「管理者」を兼ねる事はかまいせんが、「管理者」はお店の責任者として、お店に常駐しなければなりません。経営者が他の店舗を複数経営しているような場合や、お店に常駐出来ない場合は必然的に「管理者」として別の人を選任する必要があります。
なお例外的に、2つの営業所が接着しており(同じビルの中にあるなど)、同一の業種であり、双方の店を同時に総括管理することができ、業務を適正に行える場合は、兼任することが可能です。

2.管理者になれる者

管理者になるには、以下の要件に該当しないことが必要です。
①成年被後見人若しくは被保佐人でないこと。

②破産者で復権を得ない者でないこと。

③1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者でないこと。

④以下の法律により定められている規定に違反して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者でないこと。
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
・刑法(公然わいせつ、わいせつ物流布、淫行勧誘、賭博の罪)
・組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律
・売春防止法
・児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護に関する法律
・職業安定法
・出入国管理及び難民認定法
・労働者派遣法
・労働基準法
・児童福祉法

⑤集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者でないこと。

⑥アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者でないこと。

⑦風俗営業の許可を取り消され、取消しの日から起算して5年を経過しない者でないこと。

⑧営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でないこと。
※未成年者は、経営者となることができても、管理者となる事が出来ません。
「管理者」の業務の適正化を図るため、公安委員会では定期的(3年に1回程度)に「管理者講習」を実施します。管理者が変更された場合は10日以内に「変更届出書」を提出する必要があります。管理者が急な転勤や死亡などにより欠ける状態になったときは、その日から14日以内に次の管理者を選任すれば足ります。

3.管理者の仕事

管理者は、
①営業所の責任者です。
②業務の実施を統括管理すると共に、業務の適正な遂行を管理します。
③不適正な事項を発見した場合には直ちに自己の責任において是正します。
④風俗営業の社会的有用性を広く国民に認識してもらう努力が期待されています。
以上の責務を遂行するため、日々研鑽を重ねる事が大切です。主な業務内容は以下のようです。

1)従業員の指導

営業所における業務の適正な実施を図るため必要な従業者に対する指導に関する計画を作成し、これに基づき従業者に対し実地に指導し、その記録を作成する。

2)構造設備の点検

営業所の構造・設備が技術上の基準に適合するようにするため、月1回程度構造設備の点検を行い、基準を下回るものは直ちに改善し、その記録の記載について管理する。
パチンコ店等にあっては、営業所に設置する遊技機が、著しく客の射幸心をそそるおそれがあるものとして国家公安委員会規則で定める基準に該当しないようにするため必要な点検をし、その記録の記載について管理する。

3)未成年者の管理

客として立ち入り禁止とされる未成年者であると疑われる者を発見した場合には年齢確認を行い、未成年者に営業所から立ち退くべきことを勧告する、その他必要な措置を講ずる。

4)従業員名簿の備え付け及びその管理

「従業者名簿」及びその記載について管理する。
記載の主な対象者は、
○営業所に常時待機する者
○営業に関わる業務に従事している者
○必要に応じ他から派遣されてくる者
です。
なお年齢確認を怠った結果、未成年者を使用してしまった場合には、処罰の対象となります。

5)苦情の処理

営業所における業務の実施に関する苦情の処理を行う。

6)委託契約業務履行状況等の点検及び記載

営業所における業務の一部が委託される場合において、委託に係る業務の適正な実施を図るため必要な委託に係る契約の内容、業務の履行状況その他の事項の点検の実施及びその記録の記載について管理する。

7)暴力団対策

暴力団の排除。風俗営業者、従業員、地域の住民及び警察などと協力し解決を図る。

4.管理者証

管理者が選任されたときは、公安委員会より「風俗営業管理者証」が発行されます。
管理者が変更になった場合は、「変更届出書」の提出の際に管理者証の書換えも受ける必要があります。

5.管理者講習の受講

管理者となった者は、次に掲げる講習を受講しなければなりません。

【定期講習】
管理者として選任された日からおおむね3年に1回受講します。風営法その他営業所における業務の訂正な実施に必要な法令に関する講習です。

【処分時講習】
風俗営業の全部又は一部の営業停止の処分を命じられた場合に、当該処分の日から概ね1年以内に受講します。定期講習の内容に加え、違反を防止するために必要な措置等に関する講習です。

【臨時講習】
善良の風俗風俗若しくは清浄な風俗環境を害し又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため等、特別の事情がある場合に当該事情に係る営業所の管理者について、その都度行われます。