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飲食店営業許可申請

飲食店営業許可申請

(1)免許要件

飲食店の営業を始めるにはまず、食品衛生法に基づいて、店の所在地を管轄する保健所に「食品営業許可申請」を提出し、許可を受けることが必要です。
許可を受けるには、次の2つの条件を満たさなければならなりません。

①食品衛生責任者の資格を持った人を店に1人置くこと

食品衛生責任者は、調理師、栄養士、製菓衛生士などの資格を持っていればなれるが、こうした資格を持っていなくても食品衛生責任者養成講習会を受講すれば資格が取れます。
この資格は開業時点で取っていなくても、3カ月以内(東京都の場合)に必ず取るという誓約書を出せば開業できるようにもなっています。

②都道府県ごとに条例で定められた施設基準に合致した施設を作ること

施設基準については、工事が完了してからの施設検査で不適格とされるとやり直しになるので、着工前に施設の図面などを持って保健所に相談に行くのが一般的です。
施設検査の許可基準は、「共通基準」と業種ごとの個別基準「特定基準」とがあります。

「共通基準」

清潔で安全な施設であるかどうか。壁や天井が清掃をしやすい構造である、手洗い設備があるなど

「特定基準」

十分な冷蔵設備がある、洗浄槽は2槽以上あるといった飲食店向けに定められた基準です。
これらの施設基準に適合しない場合は許可がおりません。
不適とされた場合はその部分を改善後、改めて再検査を受けることになります。
このため、開業の遅れにもつながりかねず、施設の準備が万全に整ってから施設検査を受けるようにしましょう。

(2)必要書類の準備

飲食店許可申請に必要な書類は以下のとおりです。
なお、地域により若干異なりますので、事前に保健所に必ず確認してください。

1)食品営業許可申請書(1部)
2)営業設備の大要(2部)
3)営業施設の平面図(1/50程度)(2部)
(調理場の部分は詳細に記載すること。)
4)井戸水等、上水道以外の水を営業用水とする場合、水質検査成績書(提示のみ)
(水道が直結でない場合は必要)
5)従事者検便の成績書(提示のみ)
6)印鑑(記名押印又は署名)
7)手数料
8)食品衛生責任者の資格がある場合、それを証明する書類(提示のみ) (食品衛生管理者の手帳、または調理師免許など資格の証明書。
資格がまだなくても、講習を受けることを約束すれば許可の申請及び取得は可能です。)

(3)手続きの流れ

当事務所の「代行手続きの流れ」は以下になります。

①依頼者様との打ち合わせ相談

営業形態、開業予定日、店の構造や状況が許可条件に該当するか確認

②工事着工前の、保健所での「事前相談」

・許可条件につき、図面を示しつつ保健所の指導を頂く
・当事務所行政書士も同行します。
依頼者様のご同行もお願いしております。
(経営者様の、「法令を守るという姿勢や誠意」をお役所に対し見せることは、長期的に見てもとても大切なことです)

③工事着工

・工事の進行状況・開業予定日を睨みつつ、提出書類の準備・作成をさせて頂き、保健所に書類提出
・「施設検査」日の予約

④保健所の「施設検査」

調査の日時に、保健所の人がお店に来て調査をします。調査は、調理場の工事が完成していれば、客席の工事は完了していなくても受けることができます。

・当事務所も検査に立ち会います。

⑤営業許可書の交付

・検査にパスすれば許可がおります。このとき、印鑑が必要です。
(③の書類提出から許可まで、一般的に10日~14日かかります)
・ 検査にパスしない場合は、指摘箇所を改善の上、再検査を受けます
なお、次の場合は消防署、税務署、場合によっては警察署や社会保険事務所などへ各種届け出をする必要があります。

1)消防署への選任届け

店舗の収容人員が従業員も含めて30人を超える場合や、店自体の収容人員が30人以下でも建物全体の収容人員が30人を超す場合は、消防法に基づき、1店ごとに1人(同じ経営者の店が2店同じビルに入っている場合は2店で1人)、防火管理者の有資格者を置くことになっており、消防署への選任届けが必要です。
防火管理者の資格は1~2日間の講習を受けると取得できます。

2)警察署への届け出

居酒屋やバー、スナックなど、お酒を提供する店を深夜(午前0時~日の出時まで)に営む場合は「深夜における酒類提供飲食店営業開始の届出」を警察署への届け出ることが必要です。
深夜酒類提供飲食店営業開始届については、こちらをご覧下さい。

3) 税務署へ届け出

個人で事業を始める場合は「個人事業の開廃業等届出書」。
法人の場合は「法人設立届出書」や、資本金が1000万円以上であれば「消費税課税事業者届出書」などを税務署へ届け出なければいけません。

4)「青色申告承認申請書」の提出

個人か法人かを問わず、青色申告をする場合は「青色申告承認申請書」の提出が必要です。

5)「給与支払事務所等の開設届出書」

従業員を雇い入れる場合は、従業員に支払う給与から源泉所得税を徴収し、税務署に代理納付するための手続きとして、「給与支払事務所等の開設届出書」を提出することが義務付けられています。

6)保険の加入手続き

従業員を雇う場合の保険の加入手続きが必要です。
従業員を1人でも雇う場合は、「労災保険」「雇用保険」の加入手続きが不可欠です。
場合によっては「社会保険」の加入手続きも必要です。
労災保険は、労働者が業務中などに受けた疾病や負傷などに対し、補償を行うことを目的とした保険です。
正社員かアルバイトかを問わず1人でも従業員を雇えば強制的に加入しなければならず、雇用した日の翌日から10日以内に労働基準監督署で手続きを行う必要があります。
雇用保険は被保険者が離職後、失業中の生活を心配しないで新しい仕事を探せるようにと支給されるもので、雇用日の翌日から10日以内に公共職業安定所(ハローワーク)で手続きを行います。ただし、1週間の所定労働時間が20時間未満であったり、1年以上続けて働く見込みのない短時間労働者は対象になりません。

7)社会保険事務所に届け出

社会保険(健康保険、厚生年金)は、法人の場合は必ず社会保険事務所に届け出て、これに加入しなくてはなりません。
一方、個人事業の場合は、従業員が5人以上いれば任意で加入できるし、5人未満でも従業員の2分の1以上が加入を希望した場合は加入しなければなりません。

こうした届け出は経営者自身が行えますが、届け出全般については行政書士、税金については税理士、雇用問題については社会保険労務士など専門家に依頼することにより円滑な手続きができます。

(4) 食品営業許可申請手続費用

当事務所事務手数料 32,000円
飲食店営業許可 16,000円
費用合計 48,000円

※ 登記簿謄本・住民票等の取得費用は含まれておりません。
※ 喫茶店の営業許可は9,600円です。(地域により異なる場合がありますので、事前にご確認ください。)