国際結婚と国籍
日本の国籍法は婚姻による国籍の取得も喪失も認めていないので、国際結婚によって2人の国籍が変わることは原則的にありません。しかし婚姻を理由に外国籍を取得または喪失するケースとして以下の場合があります。
相手の国の国籍が与えられる場合
イランなど一部のイスラム教国などでは、本国法によってその国の男性と結婚した外国人女性は本人の意思にかかわらず国籍を与えられることがあります。日本法は重国籍を認めていませんが、婚姻によって外国籍が自動的に与えられることがあります。このように婚姻によって外国籍が自動的に与えられ重国籍となった場合は、基本的に日本国籍を喪失することはありません。
相手の国籍を自らの意思で取得する場合
国によっては、比較的簡単な届出で自国民の外国人配偶者に国籍を与えています。しかしこの場合には、本人の意思で外国の国籍を取得したわけですから、日本国籍を失うことになります(国籍法第11条参照)。日本国籍を、失った日本人は国籍離脱届けを出すことになります。(国籍法第13条参照)
帰化して配偶者の国籍を取得する場合
帰化を申請し、国家の許可を得て配偶者の国籍を取得できる場合があります。日本も含めてほとんどの国がこの制度を採用しています。ただし、日本人が外国に帰化するということは、自分で希望して外国の国籍を取得したわけですから、日本国籍を放棄したことになり、日本に国籍離脱届けを出す必要があります。規定の期間内に届けを出さない場合は、書面により、国籍の選択をすべきことを催告があり、届出をしなくても一定の期間が経過した時に日本国籍を失います。